2003年09月22日
天津市がエチレン90万トン計画打ち出す
中国浜海新区で2010年までに
【カテゴリー】:行政/団体
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 日本企業の投資貿易促進を求めて来日した中国・天津市の載相龍市長ら投資環境説明団の一行はこのほど同市の発展計画を以下(要旨)のように語った。
 
 天津市は03年末に市民1人当たりのGDPを年間3,000ドルに引き上げ(02年は2,500ドル)、10年に倍増して6,000米ドルとする計画をたてた。
 
 国際港湾を上海に次ぐ中国第ニ位に拡充し、北方の重要な経済センターにし、全国に先がけて現代化をめざすのがねらい。その戦略として海河経済、海洋経済、有力な産業、区県の経済、中小企業と個人民営経済の5つの発展に力を入れる。
 
 市の海河の長さは72キロメートルで各種資源の集中地である。これからの約10年間に2,000億ドルを投入し、インフラ施設や商業貿易観光プロジェクトを建設、一流のサービス型経済地区に育てる。
 
 港内には10の大規模工事、港外に20のプロジェクトを進める。そして貨物の取扱量を1.3億トンから2.6億トンに倍増する。コンテナの運送量を1,000万標準箱とする。世界の上位10位に入る港を目指す。
 
 市は電子情報、自動車、生物製薬と現代医薬、シームレス鋼管と高級金属製品、石油化学と精密化学、新エネルギーの主力産業と製品・加工業の育成を目ざす。
 
 インフラとしては北京−天津−塘沽間(約170キロメートル)の専用鉄道・軽量軌道の交通手段と2つの高速道路を建設する。天津と北京は30分で結ばれ、上海までつながる。
 
 また市は工業、農業、インフラ施設、商業貿易、観光、金融保険などに88項目、投資総額260億ドルにのぼるプロジェクトを組んだ。ほとんど1億ドル以上のプロジェクトだが、5億ドル以上のプロジェクトも10項目ある。04年12月23日は市の建都600周年にあたるので、外資の参入を歓迎したい。
 
 市は84年末から開発してきた天津経済技術開発区(市の東60キロメートル、02年で工業総生産1,031億元、輸出額57億ドル)、91年からの天津保税区(97の国・地域を含め約400社が入り、世界トップ多国籍企業500社のうち45社が参加)、同じ91年からの天津新技術産業圏区(国家ハイテク産業区。大学、研究所、外資系企業が参加、燃料電池、光ファイバー、バイオ、医薬などを研究・生産)などを発展させているが、最近は保税区、新技術産業圏区などを抱える浜海新区の発展が著しい。
 
 同新区はすでに150平方キロメートルを保有、年産100万トンのシームレス鋼管、12万トンのエチレン設備などの設備があり、GDPで全市の44%、輸出で62%を占めている。企画面積は350平方キロメートルもあり、エチレン年産90万トンの新規計画もある。
 
 問い合わせは同市日本事務所、FAX03-3326-3668、090-9370-6655。