2004年07月14日
中国・海南省、5年内に重要な石油・ガス・化学工業基地に
【カテゴリー】:海外
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 中国・人民日報(14日付)によると、同国では海南省(海南島)を南中国海の豊富な石油・天然ガス資源と、続々と流入する企業の投資をよりどころに、巨大な産業発展計画を通じて、今後5年以内に同国の重要な石油・天然ガス・石油化学工業の生産基地に築き上げていく計画である。

地質調査によると、海南省所属の約210万平方キロの海域には230〜300億トンの石油と約15兆立方メートルの天然ガスが埋蔵されている。この巨大な資源は中国に新たなエネルギーを提供するだけでなく、農業と観光業がGDPの55%を占める省全体の経済構造を、工業化へと転換するための条件を整えることになった。

現在、石油・天然ガスの採掘と加工における中国のトップクラスの大手会社3社が海南省の発展計画に参与し、アメリカ、ドイツ、オランダ、シンガポール、香港などの国や地域の多国籍企業が投資者として肩を並べている。

数多くの投資の流入につれて、生産規模が中国トップクラスにある化学工業プロジェクトがすでに建設着工され、一部のプロジェクトは操業を開始した。海南島西部の沿海地域では洋浦経済開発区と東方市を中心とした石油・ガス化学工業ベルトが初歩的に形成されている。

海南省の衛留成省長はこのほど記者の取材を受け、次のように語った。
「海南省は今後南中国海の石油・ガスの探査、開発、加工を外資導入と対外経済協力の重点分野とし、石油、天然ガス、重化学工業、ファインケミカルを優先的に発展させる計画である。具体策としては、汎珠江デルタ(香港特別行政区、澳門特別行政区、広東省、福建省、江西省、広西チワン族自治区、海南省、湖南省、四川省、雲南省、貴州省によって構成される)区域経済協力組織に参加し、当該組織のメンバーの資金を利用して、製品市場を開拓し、海南省の石油・天然ガス産業の発展を加速させ、特に香港の国際資金調達面での強みを十分に生かし、国際資本を誘致し、南中国海の石油・天然ガスの探査、採掘、深度加工に利用する計画である」

今日開かれる第1回汎珠江デルタ区域商談会において、海南省側は投資総額340億元を上回る、12の石油・天然ガス化工プロジェクトを新たに持ち出すことになっている。