2006年07月27日
SINOPEC/KNPC 石油精製JVの背景
【カテゴリー】:海外(経営)
【関連企業・団体】:なし

 既報の通り、中国の国家発展改革委員会はSINOPECとクウェート国営石油会社(KNPC)の広州市南沙経済開発区での石油精製JVを承認した。
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=19396

 事前報道では15百万トンの石油精製と100万トンのエチレンコンプレックスと伝えられたが、石油精製能力は12百万トンで承認を受けた。エチレンコンプレックスについては今回の承認に含まれているかどうかは、まだ明らかになっていない。

 サウジやクウェート、アラブ首長国連邦等は中国の石油需要増大を背景に中国への投資意欲を持っている。他方、中国は自動車燃料や石油化学原料の需要増大に備え、今後5年間で石油精製能力を25%増やす考えである。

 昨年12月に中国とクウェートは広東省での石油精製計画について覚書を締結、クウェートの石油大臣がペトロチャイナと会談して協議を行った。

 しかし、この地域が本拠地であるSINOPECが巻き返し、政府を動かした。(SINOPECのメインテリトリーは東部と南部、ペトロチャイナが北部と西部となっている)

 SINOPECは5月に政府にFS結果を提出している。

 なお、1週間前には、本計画にSINOPEC、KNPCのほか、ダウともう1社欧米の石油会社が交渉に加わっているとの情報もあった。

 ダウは天津でのSINOPEC等とのエチレン合弁構想からは撤退したが、現在、中国でのエチレン計画に関心を持っていると言われており、今後、同地での石油化学計画に参加する可能性もある。

 SINOPEC側で本計画を担当する広州石油化学は、同じ広州市の黄埔地区に石油精製・石油化学基地を持っており、本年2月にエチレン増設計画の認可を取得している。既存の20万トンから80万トンに増設する。
 
 なお、同社は精製能力を770万トンから1200万トンに増設中で、本年にスタートする。
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=18177