2006年08月24日
昭電、中国に第2の磁石合金生産工場、建設開始
高性能ネオジム系磁石合金用原料を安定確保
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は24日、中国江西省ガン州市に東海貿易(三井 元社長)及び中国のレアアース原料メーカー2社と合弁で「ガン州昭日稀土新材料有限公司」を設立したと発表した。これにより、今後高性能磁石の原料として急速な伸びが見込まれる、希少元素のディスプロシウムやテルビウムの安定調達が可能となる。中国での磁石合金事業は2拠点、生産能力は合わせて年産3,000トン体制となる。
 
 自動車向けに使用されるネオジム系磁石には、高温で磁力特性を確保する必要性からディスプロシウムやテルビウムを添加する必要がある。しかし、これらは世界的にも江西省・広東省・福建省など中国南部のみに偏在しているため、安定確保が最大の課題だった。

 24日に現地で起工。2007年下期からストリップキャスト法による年間2,000トンの高性能ネオジム系磁石合金の生産を開始する。

 同社は02年、中国内蒙古自治区包頭地区にネオジム系磁石合金の製造会社「包頭昭和稀土高科新材料有限公司」を設立し、現在年産1,000トンの生産を行っている。新会社と合わせて中国での磁石合金年産能力は3,000トンとなる。

 ネオジム系磁石は、ハードディスクドライブのボイスコイルモーターやMRI(磁気共鳴画像)の磁気回路、携帯電話等に用いられているが、最近はハイブリッド車や電動パワーステアリング等に向けた需要が急増しており、年率15%以上の成長が見込まれている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1156394727.doc