2007年02月05日
浙江華聯サンシャイン石化のNO.3 PTA設備、スタート
Invista法採用、中国最大のPTAメーカーに
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

 1月28日、浙江華聯サンシャイン石化(Hualian Sunshine PetroChemical Co. )の3基目の60万トンPTAプラントが浙江省紹興市で試運転を開始した。間もなく商業運転開始の予定。
 2005年4月に最初の60万トンプラント、昨年10月に第2基60万トンがスタートしており、合計能力はこれで180万トンとなり、中国最大のPTAメーカーとなった。

(既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=19970

 同社は2003年に設立された合弁会社で、株主と出資比率は以下の通り。
  深セン華聯(China Union Holdings Ltd.) 51%
  浙江展望産業集団(Shaoxing Zhanwang Enterprise Group)24.5%
  浙江加佰利紡績(Zhejiang Jiabaili Textile Industry) 24.5%

 浙江省紹興市は繊維産業の中心で、中国で最大のPTA消費地である。

 第1基はEastman技術を採用したが、第2基、第3基はInvista法を採用している。前者はコスト面で有利で、後者は品質面で優れているとされている。

 中国のPTAの需給実績及び現在の予想は以下の通りとなっている。(千トン)

   年  生産  輸入  能力  需要

  2004  4,600  5,700  6,000  10,300
  2005  5,560  6,490  6,600  12,050
  2006  6,400  7,000  8,800  13,400
  2007  9,000  6,000  12,700  15,000

 2005年6月16日の「三菱化学、中国寧波のPTA建設開始」の記事では、現地記者からの報告として、2007年の需給予想を下記の通りとした。
   生産 14,000千トン
   能力 18,400千トン (増設計画計12,440千トンの内訳を添付)
   需要 15,300千トン
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=16486

 現在の2007年予想では、需要はほぼ当たっているが、能力と生産が大きく下回っており、その結果、輸入量は減少していない。これは、環境問題や資金不足で、かなりの計画が延期されたり、建設が遅れているためである。
 また、原料のパラキシレン不足もネックとなっている。Xianglu Petrochemical の場合はPTA増設に当たり原料PXも併せて生産することを検討している。しかし、今後数年で供給過剰となることが予想され、政府の投資規制が行われると思われる。

 現在のPTAメーカーの能力順位は以下の通り。(2007/2/1現在、単位:千トン)

 Hualian Sunshine、Shaoxing 1,800
 Xianglu Petrochem、Xiamen  1,500
 Sinopec Yangzi Petrochem、 Nanjing  1,050
 Sinopec Yizheng Chemical Fiber、Yizheng  950
 Yisheng Petrochem、Ningbo  600
 Oriental Petrochemical、 Shanghai  600
 Mitsuishi Chemical、Ningbo  600
 BP Zhuhai、Zhuhai  500
 Sinopec Shanghai Petrochem、Shanghai  400
 Sinopec Luoyang Petrochem、Luoyang  350