2007年02月09日
中国でパラキシレン大増設、新たに新規6・増設4計画承認
今年は不足量拡大の予想、PTA増設計画にネック
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

 CNTニュース2月5日付「浙江華聯サンシャイン石化のNO.3 PTA設備、スタート」の記事で、中国でPTAの増設が遅れている理由の一つとして、原料のパラキシレン不足がネックとなっていることをあげた。
 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20682

 中国政府は最近、福建省泉州市のSinopec/ExxonMobil/SaudiAramco 合弁の福建石油化学(Fujian Petrochemical )のPX計画を承認した。投資額485百万ドルで、能力は70万トン。昨年末に建設を開始した80万トンエチレンと同じく 2009年初めに完成する予定。


 PTA/PET業界の急成長に伴う原料PX不足に対応するため、中国政府は上記を加え6つの大規模PX計画を承認した。6計画合計で2010年までに400万トンの能力増となる。

 Fujian Petrochemical (福建省泉州) 700千トン
 Jinling Petrochemical (江蘇省南京) 600千トン
 Maoming Petrochemical(広東省茂名)600千トン
 大連福佳・大化石油化工(遼寧省大連) 450千トン
 CNOOC (広東省恵州) 800千トン
 Dragon Aromatics (福建省厦門) 800千トン (Xianglu Petrochemical のPTA150万トン増設に合わせ建設)

 このほか、既存プラントの増設が4計画合計183万トンが承認されている。天津石油化学、揚子石油化学、上海石油化学、ウルムチ石油化学で、最後のウルムチ石油化学は現行6万トンに93万トンを加え、約100万トンにするもの。

しかし、これらのうち、2007年にスタートするのはMaoming Petrochemicalの600千トンだけのため、2007年にはPX不足は拡大する。

  中国のPXの需給は以下の通り。(千トン)
    Output Import  export Capacity Consumption
2005  2,240  1,610  60  2,880  3,790
2006  2,620  1,840  100  3,830  4,360
2007予想  3,500  2,700   50  4,430  6,150

 2006年の輸入量1,840千トンのうち、日本からの輸入は856千トンで47%、韓国からは770千トンで42%を占めている。

 中国のPX メーカーと能力は以下の通り。(2007/1/1現在、単位千トン)

メーカー 立地 能力
Sinopec 揚子石油化学 江蘇省南京  800
青島麗東石油化学 山東省青島  700
PetroChina 遼陽石化化繊 遼寧省遼陽  700
Sinopec鎮海煉油化工 浙江省寧波  650
Sinopec 天津石油化学 天津  390
Sinopec 上海石油化学 上海  250
Sinopec 洛陽石油化学 河南省洛陽  215
Sinopec 斉魯石油化工 山東省Zibo   65
PetroChina ウルムチ石油化学  新疆ウイグル自治区ウルムチ   60
Total 3,830

  青島麗東石油化学は韓国GSグループとOman Oil CompanyのJV

  既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20056