2007年03月12日
スペインのERTISAが上海でフェノール/アセトン生産へ
【カテゴリー】:海外(経営)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)
 スペイン第2位の石油会社CEPSAの子会社ERTISAが上海ケミカルパークで大規模フェノール/アセトン工場建設を計画している。

 130百万ドルを投じて、フェノール25万トンとアセトン15万トンを単独で建設するもので、2009年スタートを目指している。

 Sunoco/UOPからキュメン法を技術導入する。Sunoco/UOP法は現在、世界で11プラント(フェノール能力合計150万トン)で使用され、他に4プラント(同60万トン)が建設・設計段階にある。

 原料キュメンは当初は韓国、日本等から輸入する。SINOPECが上海ケミカルパークで計画中の10百万トンの製油所、100万トンのエチレンが完成すれば、ここから原料の供給を受ける。

 計画ではERTISAの製品は、上海ケミカルパークのBayerのポリカーボネート(第1期10万トン、第2期10万トン)向けに供給される。

 上海ケミカルパークでは他に上海高橋化学がキュメン162.4千トン、フェノール124千トン、アセトン76千トンを持っているが、これは同地区のSINOPEC/三井化学の50/50JV(上海石化三井化工有限公司)の12万トンのビスフェノールAの原料として供給される。

 ERTISAはCEPSAの100%子会社で、スペイン唯一のフェノール/アセトンのメーカー。

 CEPSAは石油・石油化学の総合メーカーで、石油の探鉱・開発から精製、輸送、販売と合成樹脂、合成繊維、洗剤原料等の生産販売を行っている。石油化学ではフェノールのERTISAのほか、芳香族のPetrocepsa、アルキルベンゼン等のPetresa、PTA等のInterquisa の各子会社を通じて製品を販売している。