2007年09月04日
中国政府、天然ガスからのメタノール生産禁止
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(上海発=特約)

 国家発展改革委員会(NDRC)はこのほど、新しい天然ガス活用政策を発表した。8月30日から適用される。限られた天然ガスの消費を最適化し、省エネを推進することを狙っている。

 天然ガスの利用は、都市ガス、産業ガス、発電、化学品の4つに分類され、都市ガス用の利用が最優先される一方、メタノール用の使用が禁止された。社会面、環境面、経済面を考えた選択としている。

 メタノールについては、これから建設を開始する計画が禁止されるが、稼動中のものや建設完了のもの、ガスの供給契約を締結済みの建設中のものについては除外される。

 他の石油化学や発電用も制限又は禁止された。例えば石炭が豊富な地域での天然ガスによる発電は禁止される。

 中国業界筋によると、中国のメタノール能力のうち、75〜80%が石炭ベース、20%程度が天然ガスベースで、残り僅かがコークス炉ガスやオフガスとなっている。2006年の中国のメタノールの生産は762万トンとなっている。


 中国では一次エネルギー消費のうち、クリーンな天然ガスの比率を2005年の2.8%から2010年には5.3%にアップしようとしている。

 しかし、沿岸部の需要の急増で供給が追いつかない状況で、8月末に四川省から上海まで通じる天然ガスパイプライン敷設プロジェクト「川気東送プロジェクト」と、トルクメニスタン、カザフスタンなどの中央アジア国家を主要な供給源とする天然ガスを新疆ウイグル族自治区から珠江デルタと長江デルタに輸送する2本目の「西気東輸」パイプライン建設が発表されている。

 今回の新政策では、パイプ輸送を進めるため、大規模、中規模のガス田でのLNG製造計画が禁止された。