2007年09月07日
酢酸と酢ビのアジア市況が急反騰
セラニーズの復旧後も需給が依然逼迫
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 昭和電工などアセチルメーカー筋の調べによると、酢酸と酢酸ビニルのアジア地域における価格がここにきて急反騰してきた。
 
 酢酸の中国における直近のCFR価格はトン当たり670〜680ドルで、1ヵ月前の平均を40〜50ドル上回っている。セラニーズの米・クリアレークの年産120万トン能力の酢酸プラントの操業停止が引き金となって史上最高値をつけた7月の700ドル超に急接近している。また東南アジア諸国の輸入価格も同じ幅で反騰、直近のCFR価格は700〜720ドルとなっている。

 故障のため長期運休していたセラニーズのクリアレーク工場は8月3日に復旧して現在は安定した操業を続けている。しかしアジア地域では秋の需要期入りとともに酢酸の需要が急拡大しており、しかもそうした中で同じセラニーズのシンガポールの同50万トンプラントが8月後半に定修で運休入りしたことからアジア地域全体の需給が再び逼迫、それに伴ってシップメントベースの価格が各地で急反発するに至っているもの。関係筋の多くは今後もなおアジア地域における酢酸の相場は上昇を続けると予想している。

 一方の酢ビの直近の価格は、中国でも東南アジア諸国でも同1,300ドルとなっている。7月の平均を同50ドル、8月を同20ドル上回って過去最高値を付けている。
 これには、BPグループの一つであるユ−ロバム社が英国の同25万トン設備を運休したのに続いてダウが米国・テキサスの同35万トン設備を、さらにはライオンデルがテキサスの同35万トン装置をそれぞれトラブルのため相次いで休止したことが大きく影響している。酢ビの需要も秋の需要期入りとともにアジア全域で一段と活発になっておりCFR価格の続伸が必至と見られている。