2008年01月28日
クレハ、炭素繊維事業拡大、いわきと上海で同時に大型増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:クレハ
断熱材「クレカFR」製品

 クレハは28日、ピッチ系炭素繊維「クレカ」(商品名)の需要拡大に対応するため、いわき事業所(福島県いわき市)と上海呉羽化学有限公司(中国・上海市)の2つの生産拠点で、同時に生産設備を増強すると発表した。投資額は合わせて約60億円。

【いわき事業所】
・炭素繊維原糸の生産能力を現行の1,100トンから1,450 トンに増設する。2009年春の稼動開始を目指す。引き続き第2次で1,800トンへ増設を計画。2012年春稼動予定。
・加工品の生産能力は、断熱材「クレカFR」、原糸を短繊維化した「クレカチョップ」を倍増する。2012年春までに段階的に増設。

 炭素繊維原糸は2006年12月に年産750トンから1,100トンに増設したが、需要が好調なためすでにフル稼働しており、今後もこの状態が継続する見込みだ。

【上海呉羽化学有限公司】
・2004年上海市嘉定工業区南区の工業団地で生産を開始したが、上海市および嘉定区政府からの移転要請により、嘉定工業区北区へ段階的に移転することにした。
・これにあわせ「クレカFR」の生産能力を倍増する。稼働開始は2009年春の予定。引き続
き第2次増設として、現在の3倍への増設を計画する。2012年春稼動予定。

 同社の炭素繊維は、石油ピッチを原料としており、耐熱性、強度、加工性、導電性、耐薬品性、摺動性などに優れ、断熱材を中心に幅広い用途を持っている。同社は世界最大のピッチ系炭素繊維メーカーとしてこれまで生産・販売体制を強化してきた。事業規模は現在約60億円。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1201512734.pdf