2008年02月26日
ランクセス、シンガポールにブチルゴム10万トン工場建設
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 ドイツのランクセス社は26日、シンガポールに年産10万トンのブチルゴム生産拠点を新設すると発表した。世界的に急増しているブチルゴムの需要に対応するもので、稼動入りは2010年の予定。
 
 新プラントは、シンガポールの南西に位置するジュロン島のテンプス地区に建設する。投資額は約4億ユーロ(5億7,500万米ドル)で、ランクスにとっては、設立以来最大規模の投資規模となる。
 
 同社は、ブチルゴムを戦略的に重要な製品と位置づけている。同ゴムは世界的に需要が急増しており、とくにアジア地域では高い経済成長を背景に需要の伸びが顕著となっている。ランクスのアジア地域におけるブチルゴムの売上は2004年当時に比べて約45%増加した。
 
 今回、新拠点の立地をシンガポールに決めたのは、他の候補地に比べてブチルゴム生産用の原料の調達に有利な条件を整えているため。同社はすでにシェルケミカルズと新プラントで使用する原料の供給に関する長期契約を結んでいる。
 
 シェルケミカルズは、2010年からジュロン島に隣接するブコム島にあるシェル・イースタン・ペトロケミカルズ・コンプレックス(SEPC)のブタジエン抽出設備から、パイプラインを通してブタジエン抽出後のラフィネートをランクセスに供給することにしている。