2008年02月27日
シノペックとBP、重慶で酢酸を増設
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

 シノペックとBPはこのたび、重慶で65万トンの酢酸プラント建設の覚書を締結した。

 BPは中国に30以上の子会社・JVを持ち、約4,000人の従業員を抱えているが、更に中国への投資を高めたいとしており、今回、クリーンエネルギー技術の統合を目指したクリーンエネルギー商業化センターの設立や内蒙古自治区での風力発電建設などの契約を合わせて締結した。

 酢酸増設は BP 51%、Sinopec 44%、地元 5%のJV、揚子江アセチル社(Yaraco)が493百万ドルを投じて行なうもので、BPのCATIVA 法を使用し、2011年の完成を目指している。

 原料の天然ガスは四川省達州にあるシノペックの普光(Puguang )ガス田から、メタノールは重慶のシノペック四川ビニロンから供給を受ける。

 Yaraco は1995年に設立され、当初能力は15万トンであったが、その後増強し、現在は35万トンとなっている。このほか8万トンのエステルも生産している。今回の増設が完成すると、合計能力は100万トンとなる。

 なお、BPとシノペックは江蘇省南京市に50/50JVのBP Yangtze Petrochemicals Acetyls Company (BYACO) を設立し、50万トンの酢酸工場を建設している。

 BPは石油化学事業の大半を Innovene として分離し、2005年にIneosに売却しており、現在の石油化学事業はPTA とその原料の酢酸、パラキシレンが中心である。(エチレンは
Innovene に分離したが、シノペックとのJVの上海Secco だけは酢酸でのシノペックとの関係からBPが引き続きパートナーとなっている)

 PTAに関しては、BPは中国では珠海に富華集団とのJVのBP 珠海ケミカル(BP 85%)が第1期 35万トン(その後増強して現在 50万トン)の工場を持つが、現在、第2期 90万トンを建設中で、間もなく完成すれば合計能力は140万トンになる。

中国の酢酸の需給状況は以下の通り。(単位:千トン)

  生産 輸入 輸出 消費
2001   860   200    -  1,060
2002   840   350    -  1,190
2003   947   500    -  1,447
2004  1,152   525    16  1,661
2005  1,370   542    35  1,877
2006  1,438   707    28  2,117
2007  1,628   499   138  1,989