2008年03月05日
台湾の奇美実業と国喬石化、中国江蘇省鎮江の事業を統合
【カテゴリー】:海外(経営)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

 台湾のABSメーカーの奇美実業と国喬石化(GPPC:Grand Pacific Petrochemical )は2月29日、中国江蘇省鎮江の両社の事業を統合し、中国のABS事業のリーダーとしての地位をさらに強めることにしたと発表した。

 現在詳細を協議中で、本年央にまとめる予定。統合後の新会社の社名は鎮江奇美化学となる。

 GPPCと奇美は鎮江で隣接して同じような仕事をしており、統合後の新会社は原料購入やコストダウン、価格決定力で強化される。

 鎮江でのABS年産能力はGPPCが25万トン、奇美が35万トンで、奇美はさらに10万トンプラントを建設しており、本年下期に稼動後は統合会社のABS能力は70万トンとなる。

 このほか、奇美は同地に年産35万トンのPS、年産5万トンのPMMAプラントを持っており、これらも新会社に移管される。

 中国政府は2004年6月1日から揚子江流域でのアクリロニトリルの船での輸送を禁止し、合わせてアクリロニトリルの陸上輸送についてもトン当たり10ドルの課徴金を課したが、この規制は今も続いている。
  既報  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=13937

 GPPCは1973年に設立され、現在、台湾に 33万トンのSMプラント、8万トンのABS/SANプラント、及び子会社の必詮化工(BC Chemical)とGPPCケミカルでPS合計10万トンのプラントを所有している。

 また、中国のほか、タイの子会社 Grand Pacific Chemical (Thailand)でABS 2万トンを生産している。

 奇美は台湾にABS年産100万トン、PS年産30万トンのプラントを持ち、他に旭化成とのJVの旭美化成で旭化成技術によりPC7万トンを生産している。旭美化成は当初は奇美51%、旭化成49%でスタートしたが、2004年に出資比率を、奇美90%、旭化成10%に変更している。