2009年06月12日
泉州の大型石化センターが試運転、 石油・エチレンを一貫生産、福建聯合石化
【カテゴリー】:海外
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 中国福建省の泉州市に建設されていた石油精製(年間処理量800万トン)、エチレン年産80万トン規模の大型石化センターが完成、このほど試運転に入った。今秋にも本格的な運転を開始する。

 福建聯合石化ではこれまで泉州に年間処理量400万トンの石油精製設備を操業してきた。今回の完成で石油精製は800万トン増え1,200万トンとなった。エチレン年80万トンの石化センターは新設。

 同省は、この計画で2007年3月に省政府、中国石化(SINOPEC)、米エクソンモービル、サウジアラムコの4者で2つの合弁会社を設立した。福建聯合石化と中石化エクソンモービルである。投資額は両社で約50億ドル。

 同2社が石油精製と石化設備を運営することで中国初の合弁による一貫生産が実現したとしている。石化センターではエチレン年80万トンのほか、ポリエチレン80万トン、ポリプロピレン70万トン、パラキシレン、芳香族などを生産する。

 サウジアラムコとエクソンモービルの参加で原油が確保され、中石化、エクソンモービルによって石化製品の製造技術とマーケットが得られるメリットがある。総売り上げは石化製品で500億元、川下製品を入れると2,000億元になると予想されている。

 福建は今年2月に採択された国務院の「石化産業調整・振興計画」で全国9大製油拠点の一つと位置付けられ、製油規模も年2,000万トン以上とされた。泉州では30万トン級埠頭が泉州青蘭山に完成、このほどサウジアラビアから12万トンの原油が輸入された。

 福建聯合石化の製油規模拡大に合わせて、台湾の台湾石化同業公会が泉州でエチレン年100万トンの石化センターを建設する動きもみられる。