2009年11月09日 | |
ダウと神華集団、陜西省で大規模石炭化学JVの起工式 | |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:ダウケミカル |
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(上海発=特約) ダウと神華集団は11月3日、陜西省楡林市で大規模石炭化学JVの起工式を行った。 詳細は明らかにされていないが、JVにはダウ中国と神華集団子会社のChina Shenhua Coal to Liquids and Chemicals Co. (CSCLC) 及び地方政府が出資する。 投資額は約100億米ドルで、陜西省楡林市に石炭と岩塩を原料とし、石炭化学・クロルアルカリ技術を使った23のプラントが建設される。 FSがほぼ終了し、間もなく中央政府の承認を求め申請する。 主な製品は以下の通り。(年産能力) メタノール 332万トン(Coal to Methanol) オレフィン 122万トン(Methanol to Olefins) クロルアルカリ 50万トン MEG 40万トン エタノールアミン/エチレンアミン 21万トン ポリエーテル ポリオール 34万トン アクリル酸 15万トン アクリレート 20万トン EDC 51万トン PVC 50万トン 神華集団は1995年に設立された国有企業で、世界8大炭田の一つとされている神府東勝鉱区の開発・運営を担当しており、関連事業として鉄道、発電、貯炭設備、輸送設備を運営している。 内蒙古自治区など各地で石炭化学を手掛けている。 ダウは2004年12月に、神華集団との間で、陜西省楡林市で石炭からオレフィン(coal-to-olefin)を生産する計画のFSを共同で実施する契約を結んだ。 両社は2007年5月に協力契約に調印し、本計画の詳細FSを始めた。当初は2008年に詳細FSを終える予定であった。 ダウは2008年7月にRohm and Haas を188億ドル(借入金引継ぎを含む)で買収する契約を締結した。 ダウはこの資金の多くを、石油化学事業をクウェートのPICとの50/50JVにすることで入る資金で充てることにしていたが、2008年12月25日にこれが破談になった。 このため、ダウはRohm and Haas の買収を一時延期したが、裁判になり、結局本年4月1日に買収を完了した。 買収資金のつなぎ融資は1年間の契約のため、 K-Dow 破談によって資金繰りが危うくなり、このままでは格付会社が投資基準以下への格下げを行うことが確実なため、ダウは増資や史上初めての減配を行うとともに、R&H子会社のMorton Salt、塩化カルシウム事業、Total とのJVのTotal Raffinaderij Nederland、マレーシアのPetronas とのJVのOptimal グループなどの売却を進めた。 また、多くのプラントを停止している。 ダウ自身は今回なにも発表はしておらず、着工時期などは不明である。 |