2010年01月05日
華北地区最大の石油・石化センターが完成
天津石油化工が月内にも営業運転を開始へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 中国石油化工(シノペック)が天津の浜海新区に建設していた大型石油精製、石油化学センターが完成、月内にも営業運転を開始する見通しとなった。石油精製は年1,000万トン(既存の500万トンと合わせ1,500万トン)、石化はエチレン100万トン規模。

 シノペックはこのプロジェクトをまず米ダウケミカル、次いでサウジアラビアのサビックと合弁で進める計画だったが中途で断念した。最後は系列の天津石油化工公司に単独で実施させた。 しかし、完成間近になって、昨年の6月にシノペックとSABICは戦略的協力契約を調印し、天津のエチレンコンプレックスを50/50JVとすることとした。
 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=27039

 このセンターは中国政府が天津浜海新区を国の基本開発戦略に組み込んだ後、シンボル的な施設(総額268億元)としてプロジェクトが推進された。結局、精製では91.5%、エチレンプラントで60%余に国産技術を採用したとしている。

 計画では年間、石油製品587万トン、エチレンなどの化学原料320万トン、液化ガスなどのその他製品75万トンが生産される。また、エチレン系では昨年12月初めに年産30万トンの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)装置が完成している。

 続いて塩化ビニル50万トン、ポリプロピレン60万トン、ブタジエン20万トンなどを計画、外資企業の参加も呼びかけている。

 同センターでは環境保護に留意し、5億2,000万元を投資した。国家〓基準のガソリンを生産できるだけでなく、欧州〓、欧州〓基準のディーゼル油の生産も可能で、硫黄などの有害物質による環境汚染が大幅に減少できるとしている。