2010年04月13日
河南煤業化工、石炭原料で100万トンのMEGを建設
【カテゴリー】:海外(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

河南煤業化工集団 (HNCC)の子会社の安陽化学はこのほど、河南省安陽市で年産20万トンのMEGの起工式を行った。
総額13.5億人民元を投じ、通遼GEM Chemical のCoal-to-MEGプロセスを使用し、安陽化学の余剰の石炭ベース合成ガスを原料とする。
これはHNCCにとって5番目のCoal-to-MEG計画で、合計能力は100万トンとなる。同プロセスにとっては6番目の計画となる。

HNCCは同じプロセスを使用して、昨年11月中旬に通遼GEM Chemicalと共同で河南省の洛陽市と商丘市でそれぞれ20万トンの建設を開始、11月下旬には両社は河南省新郷市で同能力の工場の起工式を行った。
本年2月にはHNCC子会社の中原大化集団が河南省濮陽市で20万トンのMEGの建設を開始している。

通遼GEM Chemical のCoal-to-MEGプロセスは中国科学院福建物質構造研究所と江蘇省の丹化グループ及び上海のGEM Chemical Technology により開発された石炭ベースのsysgas からMEG を生産する技術で、3社のJVの通遼GEM Chemical は2007年8月に内蒙古の通遼経済開発地域で20万トンのプラントの建設を開始している。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=26611

HNCCは2009年に江蘇省丹陽の丹陽化学(丹化)に出資、第二位の株主となった。
HNCCと丹化は本年3月にCoal-to-MEG投資契約を締結、 今後の計画は共同で実施することを決めた。

中国のMEGの輸入は2009年は580万トンで前年比12%の増加となっている。
ASIACHEM Consultingによると、中国のMEG消費は2012年には1050万トンを超える予想で、700万トンの不足となる。
HNCCの5計画が完成すると能力は100万トンとなり、全消費の10%を占めることとなる。


HNCCは2008年12月に5つの石炭事業会社、永城煤電、鶴壁煤業、焦作煤業、中原大化、河南省煤気集団(河南都市ガス)が合併して設立された。石炭埋蔵量は400億トンで、年間生産量は57百万トンとなっている。
同社は石炭化学の開発に積極的で、上記のMEG計画に加え、180万トンのメタノールとそれを原料とする60万トンのオレフィン製造計画の覚書をシノペックと締結している。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=28444

なお、安陽化学は旧称安陽化学肥料で、年産24万トンのアンモニア、42万トンの尿素、20万トンの複合肥料のプラントを持っている。