2010年07月20日
神華包頭石炭化学、秋に中国初の石炭からのポリオレフィン生産開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

神華包頭石炭化学は7月初めから、内蒙古自治区の包頭で年産180万トンの石炭ベースのメタノールの生産を開始した。これは同社が170億人民元を投じる石炭からのポリオレフィン製造コンプレックスの一部。メタノールは全量ポリオレフィン用で、2005年に先行してNDRCの承認を受け、昨年12月に建設を完了した。

同社はこの180万トンのメタノールから、60万トンのオレフィンを、これから30万トンのポリエチレンと30万トンのポリプロピレンを生産する。
これらは2006年に承認を受け、本年5月に建設を完了し、現在試運転の準備中。9月に生産を開始する予定で、中国で最初の石炭ベースのポリオレフィンとなる。

オレフィン製造には中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)とSINOPEC Luoyang
Engineeringが開発したDMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin) 技術を使用する。

PEとPPについてはUnivation Technologies (ExxonMobil Chemical とDowのJV) のUnipol技術を採用した。

神華包頭石炭化学は当初、神華集団が51%、香港のKerry Group が25%、包頭明天科技が24%のJVとして構想された。
その後、神華集団 76%、上海華誼集団公司 24%のJVとなったが、最終的には神華集団が単独で事業を行うこととなった。

ASIACHEMのデータでは、中国では本計画に大唐国際発電と神華寧夏石炭グループのPPを加え、2010年末までに159万トンの石炭ペースのポリオレフィン設備が完成する。
PEが30万トン、PPが128万トンで、これは中国のポリオレフィン能力の7%に達する。

大唐国際発電の内蒙古自治区Duolun県の46万トンのPPは同じくUnipol法を使用する。
2009年11月に購入プロピレンにより生産を開始しており、本年末に石炭〜メタノール〜プロピレンが完成、全プロセスがスタートする予定。

神華寧夏石炭グループの52万トンのPPはABB-LummusのNovolenガス法を導入するもので、年内にスタートする予定となっている。

なお、2006年12月に、陝西新興煤化工公司のCoal-to-Olefin計画、Zhonghua Yiye
Energy Investment Co.によるメタノール計画を報告したが、これらは棚上げとなっている。
    http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20331

また、シノペックによる四川省達州市での天然ガスベースのMTO計画も棚上げとなった。

    http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20364