2007年11月27日
江蘇省にPTA60万トンの新計画、工場建設開始
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

 江蘇省の澄星グループ(Chengxing Industry Group)は11月16日、 江蘇省江陰市で60万トンのPTA計画の建設を開始した。

 澄星グループが85%、香港の Hanbang Petrochemical が15%出資する Hangbang (Jiangyin) Petrochemical が374百万ドルを投資するもので、Invista の技術を導入し、2010年前半にスタートする予定。

 澄星グループは江陰市に本拠を置く化学会社で、燐酸系化学品、ポリエステル、肥料を生産する中国最大の燐酸のメーカーの一つで、液体化学品の物流の大手でもある。

 アジアでは現在、原油高に伴い主原料のパラキシレンが高騰する中、PTAは供給過剰で価格が低迷している。このため三菱化学や三井化学はPTAの減産を行なっており、三菱化学は本年3月に立ち上げた中国浙江省の新工場(年産60万トン)を休止している。

 しかし、中国ではまだ輸入に依存していることからPTAの新増設意欲が強く、最近、Sinopec子会社のYizheng Chemical Fiber が100万トンのPTA計画を発表した。2008年1月に建設を開始し、2010年完成を予定している。

 なお、江陰市では Dragon Group が大手PETメーカー三房巷グループとの50/50のJV 海倫化学(Hailun Chemical) で 60万トンPTAプラントの建設を開始したが、資金問題などで棚上げとなっている。

  参考 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=16755