2008年01月28日
騰龍アロマティックスのPX計画、移転決定
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

 台湾資本のDragon Group(騰龍グループ)は福建省厦門の海滄投資区での芳香族とPTAプラントについて、2006年6月に承認を受け、同年11月着工した。

 騰龍アロマティックスの芳香族計画は13.5億ドルを投じるもので、パラキシレン800千トン、オルソキシレン160千トン、ベンゼン228千トンのほか、発電所や桟橋、タンクを建設する。

 別の子会社の翔鷺石油化学は、5億ドルを投じてPTA第二期計画として150万トンプラントを建設する。

 吉林石油化学の爆発事故を受け、2007年3月に厦門大学の化学の教授が中国人民政治協商会議(CPPCC)で環境面の問題でPX計画の移転を要請した。
 
 規則では危険な工場は住宅地から少なくとも10キロ離れる必要があることが喚起され、105名のCPPCCメンバーが工場移転を要請する手紙にサインした。(PXプラントは厦門市から厦門湾をへだて7キロ離れた海滄投資区にある)

 その後、「事故が起こると何千トンもの毒物が放出される」といった内容の記事がインターネットに次々掲載され、パラキシレン反対の大運動が起こった。

 2007年5月末に廈門市当局は住民やメディアの声を受け、厦門地区環境評価が完了するまでの建設中断を決定した。

 翔鷺石油化学のPTA計画は問題なく、続行された。

  既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=21539 


 昨年12月20日、福建省と厦門市当局は騰龍アロマティックスの海滄投資区での芳香族計画を取り止め、これを福建省Zhangzhou市の古雷半島に移転させることを決定した。(地図参照)

 移転計画はNDRCの承認を受けた後に実施される。

 騰龍グループは厦門市当局から補償を受けるが、詳細は決まっていない。