2008年06月23日
三井化学、1-ヘキセン用の高活性触媒を開発
年産3万トンのヘキセン設備を2010年に建設へ
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は23日、高機能ポリエチレンの副原料の一つである1-ヘキセン(C6)の製造に必要な超活性錯体触媒の新技術開発に成功したと発表した。

 今回同社が開発した触媒は、エチレンを三量化する際の選択率が高く、従来のクロム触媒の約600倍という極めて高い活性を発揮する点が最大の特徴。加えて、低温かつ低圧下でも優れた活性が得られるので、シンプルでしかも省エネルギー型のプロセス設計が可能となり既存の技術にない大きな強みだと同社では説明している。同社では、2010年にこの新技術による1-ヘキセンの新プラントを同社姉ヶ崎工場内に建設する計画。設備規模は年30,000トン。

 1-ヘキセンは、L-LDPE(直鎖低密度ポリエチレン)のうち強度やヒートシール性さらには加工性が特に優れるハイヤーオレフィン(HAO)品種の製造に欠かせないコモノマー(副原料)の一つ。

 同品種はグループ会社のプライムポリマーが商品名「エボリュー」で企業化、国内で圧倒的な製造・販売シェアを確保し、極東や東南アジア地域でも急速に市場を拡大している。しかし、同品種を構成する原料全体のおよそ10%を占める1-ヘキセンについては自らの製造プラントを持っていないので、必要量は出光興産や南ア・サソールからの購入に依存してきている。

 世界全体に1-ヘキセンの需給がタイトなまま推移しているため海外品の高騰による採算悪化がプライムポリマーにとって大きな悩みとなっている。今回の三井化学による1-ヘキセン用超活性触媒技術の開発は、三井化学・姉ヶ崎工場の体質強化に寄与するだけでなくプライムポリマーの国際競争力の強化にも大きく貢献していくことになりそうだ。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1214189488.pdf


○Mitsui Chemicals to Develop a Highly Active Catalyst for 1-Hexene Production
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1214189488.pdf