2009年10月14日
BASF-YPC、南京でエチレン増強の建設開始
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

BASFとシノペックは9月28日、南京市の南京化学工業園でエチレン増強計画の建設を開始した。

総額14億ドルを投じるもので、エチレンの公称能力を既存の60万トンから74万トンに増強し、合わせてEOや高吸水性樹脂などの新設を行う。

両社の50/50JVのBASF-YPCは本年7月1日にNDRCから増設計画の承認を取得した。2011年にスタートの予定。

BASFは当初、グローバルな経済危機と需要の伸び悩みを理由に本計画と、重慶市でのMDI新設計画を延期するとしていた。

しかし、BASFは9月29日、「アジア太平洋の2020年戦略」を発表した。

 ・2020年まで毎年、アジア太平洋化学市場よりも平均で2%ポイント高い成長を目指す。

・販売の70%は同地で生産する。
・最低5,000人を増員(15,000人→20,000人)
・2009-2013年で20億ユーロを投資
・効率改善で2012年までに年間1億ユーロの合理化

同社では地域市場の伸び率を4-5%と予想しており、2%ポイント高い成長により、2020年までに売上を倍増する。

2013年までの20億ユーロの投資には、BASF-YPCの14億ドルの増設計画の50%持分と、重慶のMDI 40万トン計画(2014年初めの商業運転を目指す)を含んでいる。

業界筋によれば、BASF-YPCの今回の増設計画の内容は以下の通りとなっている。

 エチレン: 600千トンから740千トンへ増強
 EO(新設): 80千トン
 高吸水性樹脂(新設): 60千トン
 非イオン性界面活性剤(新設): 60千トン
 ブタジエン抽出(新設): 100千トン~120千トン
 イソブテン(新設): 80千トン
 ポリイソブテン(新設): 50千トン