2010年12月01日 |
BASFとイネオス、スチレン事業を統合 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF |
BASFとイネオスは11月30日、両社のスチレン、PS、ABS、SBC、その他スチレン系コポリマーとそのブレンドの事業を新しい50/50JVのStyrolutionに統合すると発表した。 独禁法の審査を受けてJVを設立する。 BASFは10月7日、スチレン系ポリマー事業を戦略的に発展させるため、Styrolution社を設立すると発表した。 分社は、2011年1月1日に完了する予定で、将来の同事業の売却に備えるものであった。 今回、JV化に先立ち、予定通り1月1日に分社する。 イネオスはスチレン系事業をNova Chemicalsとの50/50JVのIneos Novaで行っているが、Novaは11月12日、イネオスとの間で、Ineos NovaのNova持分をイネオスに売却する交渉に入ったことを明らかにしている。 2009年7月にアブダビ国営の投資会社 IPIC(International Petroleum Investment Company )がNovaを買収したが、新しい株主のIPICの方針によるものと見られる。 新しいJVの設立後、BASFとイネオスはスチレン系事業をStyrolutionに移管する。 なお、発泡ポリスチレンは取引から除き、両社ともこの事業を自社に残す。 発泡ポリスチレン用のLudwigshafen のSM/PS事業と、南京のBASF-YPCのSM/PS事業はBASFに残る。 2010年ベースで、新しいStyrolution の売上高は50億ユーロを超える。 BASFは事業価値の差額を受け取ることとなるが、詳細は明らかにされない。 BASFの拠出する事業は、SM, PS, ABS, SBCとスチレン系コポリマーで、ドイツ(Ludwigshafen, Schwarzheide), ベルギー(Antwerp), 韓国 (Ulsan), インド (Dahej)、メキシコ(Altamira)の工場を含み、従業員は1,460 人で、2010年の売上高は30億ユーロ以上となっている。 一方、イネオスはドイツ (Cologne), スペイン (Tarragona), インド (Vadodara)、タイ (Map Ta Phut) のABS工場と、カナダ (Sarnia), 米国 (Indian Orchard, Joliet, Decatur, Texas City, Bayport), ドイツ (Marl), フランス (Wingles) 、スエーデン(Trelleborg)のIneos NovaのSM/PS事業とドイツのMarlのイネオス所有のSMプラントを拠出する。従業員は合計2200人で、2010年の売上高は20億ユーロとなっている。 BASFは2007年7月に、利益率が低く、原料の動向に左右されるコモディティからの離脱を狙って、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表、その後、事業の売却先を探していた。 なお、BASFと並ぶPSの大手であったダウも6月にスチレン系事業のスタイロンを投資会社Bain Capital Partnersに売却している。(ダウはスタイロン7.5%を出資) |