2012年10月11日
NEDO、高性能光触媒を開発、抗ウイルス効果を実証
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工、NEDO
成果発表する橋本東大教授

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11日、「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」で、東京大学および昭和タイタニウムなど助成先各社が、抗菌・抗ウイルス性能に優れた新しい可視光応答型光触媒材料を開発するとともに、その抗ウイルス効果の実証に成功したと発表した。

開発した光触媒材料は、光が当たらない暗所でも抗ウイルス効果を発揮し、ウイルスの数は1時間で4ケタ減少、99.99%のウイルスを不活性化することができ、可視光を照射したところ、1時間で7ケタ以上のウイルスを不活性化することを確認した。また、同材料を適用した空港
および病院での実証試験により、その効果の実証にも成功した。
この成果により、住宅建材関連市場や医療関連市場をはじめ、環境対応素材を必要とするさまざまな製品市場での事業展開が期待される。

今後は、銅系化合物酸化チタン材料については事業助成先の昭和タイタニックで量産化に向けた本格的な検討をスタートさせる。三井化学もプロジェクトメンバーとして有力視されている。

また、製品化については、盛和工業(空気浄化システム)、積水樹脂技術研究所(内装材)、TOTO(タイル、塗料)、日本板硝子(ガラス)、パナソニック(フィルム材)、太陽工業(テント材)などが助成・協力企業として共同研究に参加しており、事業化に取り組むとみられる。

プロジェクトリーダーの橋本和仁・東大教授(先端科学技術研究センター)は「従来とは全く異なる原理で“紫外光2倍・可視光10倍”という高性能触媒を実現した。光触媒産業の将来は明るく、市場規模はざっと2兆円といわれている。日本のオリジナル技術であり、医療・福祉、環境、住宅建材分野など広い範囲に展開できる。国際競争力のある産業に育てていくことが大事だ」と強調した。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1349941984.doc