2002年12月17日 |
汎用樹脂の対中国輸出依存度に変化 |
HDPEとPSは拡大、LDPEとPPは縮小傾向 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
汎用4樹脂の全輸出数量に占める中国向け(香港向けを含む)の比率は依然としてどの樹脂も高水準を維持している。ただし、全出荷数量に占める中国向け輸出の構成比は3年前に比べると樹脂によってかなりの違いが生じており、出荷全体における中国依存度にばらつきが発生している点が明白になってきている。 汎用4樹脂それぞれの今年1〜10月トータルの全輸出通関数量に占める中国向け数量の構成比は、LDPEが63.9%、HDPEが59.5%、PPが53.9%、PSが76.5%--といずれもかなりの高率となっている。3年前の99年の年計の構成比は、LDPEが56.1%、HDPEが47.0%、PPが43.2%、PSが67.3%であった。いずれも3年で大幅に拡大している。 ところが、全出荷量に占める対中国向け輸出通関数量の構成比となると様相がかなり異なる。PSは99年計に比べて大幅に拡大しており、またHDPEもかなりのアップとなっている。しかしPPは縮小、LDPEもわずかに減少している。LDPEは9.9%であったのが9.5%に、HDPEは11.6%が12.9%に、PPは7.7%が6.9%に、PSは13.7%が18.6%にそれぞれ変化している。 しかも、こうした変化は出荷全体に占める輸出通関数量の構成比の変化と必ずしも一致していない点も注目される。各樹脂の輸出通関量比率は、LDPEが14.9%(99年計は17.7%)、HDPEは21.7%(同24.7%)、PPは12.8%(同17.8%)、PSは24.3%(同20.3%)--となっており、全出荷量に占める対中輸出比とおむね同様の変化を遂げているのはPPとPSだけである。 中国の需要の増加、韓国や中東などのコンペティターの勢力の拡大、国内需要の低迷--など様々な要因がからみあっていることによるもので、各社がこうした実態をどう捉えて輸出政策を考えていくかが注目される。 |