2002年12月19日
日化協、化学業界団体再編に「基本構想」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学、塩ビ工業・環境協会、石油化学工業協会、日本化学工業協会、日本ソーダ工業会

 化学業界団体の再編を検討してきた、日本化学工業協会(会長、中西宏幸三井化学社長)の「基本構想」がまとまり、「大合同」実現に向けた動きが大きく前進した。基本構想は、18日の理事会に続き、19日には団体会員で構成している同協会の「審議委員会」でも承認された。
 
 日化協は今後、同構想をもとに化学関係各団体と、組織のあり方や運営方法など具体的な協議に入るが、石油化学工業協会や塩ビ工業・環境協会、日本ソーダ工業会など主要団体はすでに同構想に賛同しており、話し合いは進むと見られている。とりあえず来年秋には、参加表明の団体が一つのオフィスビルに集まり、日常業務活動の交流からスタートすることにしている。

 日化協に加盟している業界団体は現在83あるが、ほかに非加盟団体が20-30団体もあり実態はよくつかめていないのが実状。化学業界は製品の種類が多いのが特徴ではあるが、製品ごとに工業会や協会をつくってきた結果、類似の製品を扱ったり、原料も製品ユーザーもほとんど同じといったように、業務内容に重複がみられるケースも少くない。
 
 そこで基本構想では、団体同士の連携を強め、共通機能を一つに集約化することによって、効率的な運営を図っていくことに再編の主眼を置いた。これまで各団体が果たしてきた専門的な役割や機能は、必要に応じて新しい体制の中に生かすようにする。従って当面は、最上部組織の下に、いくつもの団体ベースの委員会組織が生れる形になりそうだ。「具体的な姿はこれから検討して固めいく。時間をかけて、緩やかな共同体をめざすのがいいのではないか」と中西会長はいっている。