2002年01月07日
旭化成・山口会長は「一層の厳しさ」予想し「積極的行動」求める
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成の山口信夫会長は同社の年始式で「今年はさらに変化、激動に対応した努力が必要になる」と決意を促すとともに、積極性のある実行力などを求める挨拶を行った。要旨次の通り。

 昨年は激動の1年間だった。4月には小泉内閣が誕生し「聖域なき構造改革」を掲げて厳しい政策を実施している。9月こは米国で「同時多発テロ」が発生し、アフガニスタンにも戦争が及び、このテロ事件によって米国の景気がさらに悪化、影響は日本にも及んだ。一方、12月初めには愛子内親王誕生の明るいニュースもあった。

 今年は昨年にも増して厳しい年になると予想している。昨年度はカンパニー制度の導入をはじめ、積極的な施策を行い、その一方でレーヨン工場の撤収終了等、いくつかの事業撤退も行った。その意味で旭化成にとつても激動の一年だつた。今年は、さらに変化、激動に対応した努力が必要だと思っている。

「ISHIN2000」も最終の3年度の締め括りに入っている。最終年度は今年の3月で完了するが、相当厳しい結果になると予想している。現在策定中の次の中期経営計画も生易しいものではないと覚悟している。

 そこで、年頭にあたってお願いしたいことは以下の3つである。
 第1は、積極性と勇気をもって、今までの考え方の延長線上ではない新しいことを考えて実行していくこと。
 
 第2は、汗をかいて我慢すること。昨年以上に汗をかき、我慢をし、そして行動していくこと。

 第3は、厳しい環境にあっても職場のモラルを高くし、疲れない職場を作っていく。特に上に立つ人は部下への気配りを怠らず、社員が全力で仕事に邁進できる環境をつくること。

 以上の実践を強くお願いしたい。そして、どんな厳しい環境であっても自信と希望を失うことなく、自分自身のために、家族のために、それがひいては会社のため、社会への貢献に繋がるよう、立派なグループにしていきたい。
 
 詩人のサミュエル・ウルマンが「青春」の詩で言った一節を申し上げる。
「人は希望ある限り若く、失望と共に老い巧ちる」
 希望と自信をもってともにこの1年を頑張りたい。