2002年01月07日 |
三菱レイヨン・皇社長は「グループ全員で課題に挑戦」呼びかけ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:三菱レイヨン |
三菱レイヨンの皇芳之社長は年頭挨拶で、経済環境の一層の厳しさを説くとともに「勝ち残っていくためにグループ全員で課題に挑戦しよう」と訴えた。要旨次の通り。 昨年は21世紀スタートの年ということで、明るい展望が開けると期待されたが、経済の面では、米国のITバブル崩壊に9月の同時多発テロの影響が重なり、世界同時不況の様相を呈するに至った。国内でも小泉構造改革が始動し、株安、失業率の増加、デフレ傾向の進行、大型経営破綻の発生等、極めて厳しい激動の一年となった。 今年は昨年以上に厳しさを増し、2年続きのマイナス成長を覚悟せねばならない。今年の経済を考え、三つののキーワードを挙げたい。米国、中国、小泉構造改革である。米国経済は、年央には回復に向かうとの見方が一般的だが、そのカープは緩やかなもで、これまでのように、世界経済を牽引することにはらないと思う。 一方、WTO加盟を果たした中国は、世界の工場、あるいは市場としてますますプレゼンスを高め我々のビジネスに大きな影響を与えることとなる。小泉改革も動き出したが、その行方がどんな帰着を目指すのか未だ明確ではない。 私たち三菱レイヨングループにとっても今年は重要な年となる。まず今年度の残り3カ月に、3カ年計画「US-21」の最終年度に目標とした課題を達成し、必達目標である連結年間営業利益200億円超の業績を挙げることが求められる。 さらに新年度からは新しい3カ年計画を立ち上げる。次の3カ年計画のポイントは二つある。 一つは、三菱レイヨングループが世界の中で生き残り、勝ち残っていくためには得意とする特定の分野で際立ったリーダーになることだ。独自性プラス優位性、即ち「“US”の徹底的な追及なくして三菱レイヨングループの将来はない」ということだ。得意とするアクリル系事業の強化・拡幅、そして次の三菱レイヨングループを担うぺき事業、重点的には炭繊・複材事業、水環境事業の成長の加速が重要なテーマとなる ニつは、世界レベルでの合従連衡の進行、あるいは中国を初めとするアジア諸国の技術レベルの向上や生産能力増加というドラスチックな変化に対応できるコスト構造改革だ。これには生産技術の革新、アウトソーシングの活用等によるフレキシブルかつ軽量な体質を、早く構築しなくてはならない。 厳しい環境下ではあるが、グループ全員が力を合わせ、これらの課題に挑戦し、自助努力でこれを達成し、成果につなげなくてはならない。私も先頭に立って全力を挙げる所存だ。 |