2003年01月06日
中西日化協会長「厳しい内外環境、未来に信念を」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:島津製作所、三井化学、日本化学工業協会

 日本化学工業協会の中西宏幸会長(三井化学社長)は2003年の年頭所感で、わが国化学工業が社会に果たす役割の大きさを強調するとともに「事業環境は厳しいが、未来に対する確たる信念をもって社会の発展に貢献していきたい」と抱負を述べた。
 
 化学業界の現状については「欧米など世界的な再編・アライアンスが加速する中、わが国でもグローバル化が進んでいる。アジアからの安値品攻勢が内需に影響を与える中で、石化業界はポリオレフィンの関税一括引き下げを来年に控えている」と分析。
 
 一方、先端技術開発は今後ますます重要になると強調。昨年、ノーベル化学賞に輝いた島津製作所の田中耕一氏の功績を称えた。「わが国が3年連続してノーベル化学賞受賞者を出せたのは、生命科学、医学、物理学などサイエンス技術を支える化学分野の研究水準の高さによる」とした。
 
 同協会の中核事業である環境対策について「世界サミットに基づく各種プログラムの遂行や、国内での化学物質安全管理強化の課題に確実に応えていかなければならない」と述べた。とくに今年からは、PRTR法に基づくデータ公表が始まる。「社会との対話を通じて、業界の信頼を高めていくととが重要である」と強調した。

 業界団体の再編については「基本構想は、各団体のミッション・機能を整理して、共通機能を極力1つに統合することにある」とし、オフィスビルなどのインフラ統合にはできるだけ多くの団体に参画を呼びかけ「効率的な団体運営を再構築していきたい」と抱負を述べた。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=529