2003年01月06日
アジアのPTAの需給、今年はウエルバランスの見通し
三井化学が推定、全体の平均稼働率は96%に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学によると、アジア地域におけるPTAの今年の需給はウエルバランスで推移する見通しにある。全体の設備能力は昨年を上回るが、需要が中国を中心に一段と拡大するので平均稼働率は96%になるというのが同社の予想。03年の稼働率はさらに98%にアップ、PTAメーカーの定修が重なる時期には品不足の事態が生じると判断している。
 
 三井化学がまとめた見通しによると、アジア地域におけるPTAの今年の供給能力は昨年より220万t多い1,990万tに拡大する。率にすると12.4%増となる。一方の需要量は130万t(7.3%)増えて1,910万tとなる。したがって、平均稼働率は96%になるという計算だ。昨年は需要量が供給能力を10万t上回ったため深刻な品不足状態に陥ることもしばしばであったが、今年はほぼ均衡するというのが同社の見方なわけ。
 
 供給能力の増加は、昨年末に完成した中国・Xiangiuの年産90万t設備が稼働するほか韓国・SamNam、台湾・Capco、中国・Yizheng--などの新増設が順次完工することで実現する見通し。
 
 一方の需要の拡大は、最大消費国である中国のポリエステル繊維の増産によってもたらされる面が大きいとされている。中国の今年のPTAの需要量は昨年より80万t(12.3%)増えて730万tになると同社では予想している。
 
 続く04年のアジア全体の予想は、供給力が30万t(4.5%)増の2,080万t、需要量が140万t(7.3%)増の2,050万tとなっている。平均稼働率は98%となる。中国の需要量については、80万t(11.0%)増えて810万tになると推定している。
 中国国内の生産体制については今年が360万t、来年が410万tと想定、したがって、必要輸入量は今年が380万t、来年が400万tになると判断している。

 なお、日本の需給は今年も来年も50万tの余裕があり、おおむねウエルバランスを維持できるとの見方が取られている。