2003年01月07日
中国政府が仮決定、カプロラクタムと無水フタル酸「クロ」
ダンピング調査、無水フタル酸は「割増関税66%」の高率
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:宇部興産、新日鐵化学、住友化学、東レ、三菱化学、三菱ガス化学

 中国政府(対外貿易経済合作部=MOFTEC)は7日、日本から輸入しているカプロラクタムと無水フタル酸について、アンチダンピング調査を行ったた結果、ともに「クロ」とする仮決定を下したと公告した。カプロラクタムはメーカー4社に対して5%〜18%、無水フタル酸は各社一律に66%と極めて高い割増関税をかけるとしている。MOFTECでは「異議がある場合は20日以内に申し出るよう」求めている。
 
【カプロラクタム】
◇MOFTECは日本、ベルギー、ドイツ、オランダ、ロシアの5カ国を対象に、2001年12月から調査を行っていた。日本のメーカーは4社。公告によると、正式決定し次第、住友化学5%、宇部興産9%、三菱化学18%、東レ5%、その他に対しては21%の割増関税(ダンピング関税)がかけられる。わが国のカプロラクタムの2001年の生産量は53万1,239トン、輸出は23万6,289トンで輸出比率は約45%と高い。輸出の国別内訳は台湾が8万8,433トン、中国6万1,619トン、韓国5万7,171トンの順となっている。

【無水フタル酸】
◇調査対象国は日本、韓国、インドの3カ国。割増関税率は日本の一律66%が最も厳しく、以下韓国がメーカー別に18〜33%、インド一律33%となっている。日本は現在メーカーが新日鐵化学、川鉄化学、三菱ガス化学、川崎化成の4社で、生産量(2001年)は25万9,267トン、輸出は5万3,808トンで、うち中国向けは4万0,302トンと大半を占めている。66%の割増関税が課せられると、業界は実質的に輸出不可能となる。それだけに今後の対応が注目される。

ニュースリリース参照
◇カプロラクタム
http://www.chem-t.com/fax/images/03107003.tif

◇無水フタル酸
http://www.chem-t.com/fax/images/03107004.tif