2003年01月14日 |
エチレンの昨年の総生産量は2.8%減の715万t |
3年連続の縮小で、史上5番目の規模にとどまる |
【カテゴリー】:実績/統計 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省製造産業局が14日に明らかにしたところによると、わが国の昨年のエチレン総生産量は715万1,700tとなった。前年の実績を2.8%下回っている。99年をピークに3年連続の縮小となった。99年の768万6,600t、2000年の761万3,700t、97年の741万5,800t、01年の736万700t--に続く史上第5番目の規模におわっている。99年の実績に比べると7.0%もの縮小となる。 前年を2.8%下回った最大の要因は、国内の景気低迷の長期化に伴う石油化学製品全体の内需の減少にあると見てよい。 石油化学製品の場合、昨年は輸出が増加に転じ、輸入が縮小して輸出入バランスがかなり改善された。数字を挙げると、エチレン換算輸出量の1〜11月の累計は197万5,600tで前年同期を5.8%上回り、一方の輸入量は35万5,000tで4.4%減となっている。差し引き162万100tの出超で、前年同期を8.3%上回っている。12月の実績はまだ集計されていないが、わずか1ヵ月で輸出入バランスが大きく変わる可能性はまずない。 それにもかかわらずエチレンの総生産量が前年を下回ったのは、肝心の国内需要がこの数年にない大きな落ち込みとなったからにほかならない。現に主要誘導品の生産の1〜11月累計を見ると、LDPEは4%、HDPEは5%、PPは3%、PSは2%、EOは3%、EGは7%、ANは5%--それぞれ前年同期を下回っている。 昨年の実績を上期と下期に分けて見ると、上期が343万2,400tで前年同期を7.1%下回っている点が注目される。下期は371万9,300tで逆に前年同期を1.5%上回ったが、上期の落ち込みをカバーするまでにはいたらなかった。下期の中では第3・四半期が184万7,100tで前年同期を3.3%上回っている点が目を引く。7月が64万7,200tとなり、前年同月を15.3%上回ったのが効いている。輸出が17.5%伸び、輸入が6.2%減ったのがその要因。 昨年のエチレンの半期別ならびに四半期別の実績は別表の通り。 ●エチレン換算輸出入実績 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/trade/b95hq |