2003年01月17日
三洋電機、有機ELの小型パネルを年内に量産
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三洋電機

 三洋電機は、米国のイーストマン・コダックと共同開発している有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイについて本年末までに量産化することになった。桑野幸徳社長によると携帯電話向けなどの小型パネルを月産100万枚生産する体制を築くため約200億円を投入する。2005年の売り上げ目標は年700億円。
 
 同社は一昨年にコダックと共同でエスケイ・ディスプレイ(小西新一社長、岐阜県安八町。三洋66%出資)を設立、有機ELディスプレイの製品化に取り組んできた。当初の目標より約2年遅れで、ディスプレイパネルもフルカラー型ではなくアクティブマトリックス型。しかもサイズが2インチ型と小型パネルから手がけることになった。
 
 設備は有機膜形成工程に100億円、低温ポリシリコンTFTパネルの生産に100億円を投入して建設する。三洋電機としてはまずKDDIの携帯電話の表示板として売り込むことにしている。アクティブマトリックス型の有機ELは液晶をしのぐ鮮明さがあり、このメリットを生かす考え。
 
 三洋電機としてはポリシリコンTFTパネルにドライバーICを組み込み、一体化してつくることに重点を置いてきたが、その技術開発に時間がかかったようである。アクティブマトリックス型は画像の残像が少なく、動画の利用に適した方式とされている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/03118000.tif