2003年01月17日
SMのアジア相場が続伸、中国向けは840ドル
原料の逼迫と高騰で、PSのスポットも続騰
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 スチレン業界筋によると、SMのアジア地域のスポット相場はここにきて一段と上昇傾向を強めており、中国のトレーダー筋の2月分の買い付け価格の中にはCFRトン当たり840ドルものも見られる。また、これに連動してPSのオファー価格も騰勢をたどっており、今週半ばの平均は同900ドル前後まで上っている。
 
 これらの1月積みの価格の平均は、SMが同700ドル台の前半、PSが同820〜830ドルとなっている。したがってこのままいくと、1ヵ月でSMはおよそ100ドル、PSは70〜80ドルアップすることになる。
 
 ここにきてのSMならびにPSのアジア相場の続伸は、原料価格の急騰とSMの需給の一層のタイト化によってもたらされているもの。中でも大きく影響しているのは全世界的なベンゼンの逼迫と高騰だ。最大のサプライヤーである米国企業による2月積みのオファー価格は1ガロン当たり1月より70セント高の250セントに急騰している。しかも、特にアジア地域では絶対量が明らかに不足しており、このためSMメーカーとしては供給責任をまっとうしようとすれば不利な商談でも受けざるを得ない状況に追い込まれている。
 中国をはじめとしたアジア市場のトレーダーやユーザーも、こうした事情は十分理解している。したがって、SMについてもPSについても2月積みの値上げが受け入れられる可能性は高い。ただし、トレーダーはともかくとして需要家の中には製品価格への転嫁が無理だとして強く抵抗するところも出つつあるので、実際の需要家渡しの上げ幅がどのていどになるかはまだはっきりしない。