2003年01月20日
三井化学、TPAの輸出価格を引き上げへ
原料急騰に対応、トン当たり80ドルアップ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は29日、PTA(高純度テレフタル酸)のコントラクトものの2月の輸出価格をトン当たり80ドル引き上げることにしてユーザー各社と先週末から折衝を開始したと発表した。
 
 現在のコントラクトものの同社の輸出価格は、主力市場である中国のメーンポート着(CFR)で同570ドルだが、これを同650ドルに改める。今週内に各需要家の同意を取り付ける考え。
 
 今回の値上げは、PX(パラキシレン)を始めとした原燃料の高騰に対処してのもの。特に大きいのはPXの高騰で、同社によると、PXメーカー各社は昨年12月に同510ドルであったPXの価格を今年1月に520ドルに上げ、そして2月にはそれをさらに640ドルへと大幅に引き上げる意向を表明している。他の原燃料も原油とナフサの続騰で軒並み上昇しており、このためこのままいくと同社のPTA事業は大幅な採算割れに陥るのが必至という。
 
 PTAの需要は、引き続き中国をはじめ各地で着実な伸びを遂げている。このため需給は依然としてウエルバランスで推移しており、それに伴い最近のスポット相場は620ドルまで上がっている。直近のオファーの中には640ドルも見られる。PXの急騰による先高観がPTAの需要家の間にも急速に広がっていることによるもので、こうした点は同社にとって追い風となろう。
 
 なお同社では、国内価格も2月の出荷分から再是正する。PXメーカーが1キログラム当たり15円の値上げを打ち出しているのに対応して同10円引き上げる。