2003年01月20日
旭化成、MMAシートの増設完了、年2万4,000トンへ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、クラレ、住友化学、三菱レイヨン

 旭化成は、川崎工場のメタクリル(MMA)シート設備の増設工事を進めていたが、このほど完成、運転を開始した。増設分は年産6,000トンで、従来の1万8,000トンと合せ2万4,000トンとなった。
 
 同社はMMA事業をコア・ビジネスとして育成するため、MMAモノマー、成形材料、板などの増強に積極的に取り組んでいる。MMAモノマーは昨年秋、資金約20億円を投じて3万トン(川崎工場)の増設を行い、年産10万トンとした。同モノマーは3万トンの増設を行うまで、三菱レイヨンから3万トン規模の融通を受けていたが、10万トン体制としたのちも、この融通を続けることにしており、実質13万トンの供給能力を備えたことになる。
 
 MMAシートは注型板、押出板で構成される板加工のうちの押出板部門で、とくに液晶テレビの導光板用として急速に伸びている需要に応えるための増設。成形材料としては昨年5月に千葉工場の年産1万5,000トン設備を2万トンに増強している。
 
 このほか、台湾の奇美実業系のタスコケミカルから成形材料のペレット2万トン、シート4,000トンの融通を受け、アジア市場でのMMA事業拡大を図っている。
 
 MMAの押出シートは住友化学、三菱レイヨン、クラレなども生産し、韓国、中国などでの事業化を計画、競争が激化する見通しにある。