2003年01月20日
PSの12月の内需は8%増で6ヵ月連続の前年同月超え
年計の内需も第2・四半期からの成長で前年を2%上回る
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会によると、PS(ポリスチレン)の昨年12月の生産量は前年同月の4%増と順調な伸びを遂げたが、それ以上に好調であったのは内需で前年同月を8%上回った。6ヵ月連続の前年同月超えである。
 
 これには、電機用が14%増となって3ヵ月連続で前年同月の2けた増となったのが大きく効いている。事務機器用の需要が大幅に回復し、エアコンも着実な伸びを遂げたのが大きな要因とされている。また、最大の用途の包装分野向けが4%増となったほか、雑貨・産業用が10%増、FS用が9%増--と電機用以外の分野も全て軒並み前年同月を大幅に上回った点も注目される。
 輸出は6%の縮小となったが、中国向けが好調で全体が再び1万tの大台を確保した。この結果出荷総量は前年同月を6%上回った。
 在庫は依然として1.02ヵ月分にすぎず、前年同月を28%も下回っている。
 
 一方年計の実績は、生産が前年の2%減、内需が2%増となった。輸出は9%増で、この結果出荷トータルは3%増となった。このうちの生産の減少の主因は原料不足にあったと見られる。
 内需の増加は、第2・四半期に入ってから全体の需要がユーザー各社の在庫調整の終了とともに回復してきたことによるもの。メーンの包装用はOPSや乳酸飲料などの好調で2%増となり、雑貨・産業用は特に産業用の新用途の開拓が作用して7%の高成長となった。FS用はボードの需要の好転で4%の拡大となっている。電機・工業用は唯一4%の減少となっているが、第3・四半期以降はプラス成長に転じている。
 輸出は、年後半に入ってからは輸出余力が乏しくなったため減少傾向をたどったが、前半の大幅増が効いて年計では9%増となった。
 
 今年の内需の展望については「おおむね90万tと前年並みになる公算が濃厚」(荒浪淳・エー・アンド・エムスチレン社長ら)と予想する向きが多い。
実績の詳細は別表の通り。単位はトン。