2003年01月22日 |
SMのアジア地域の需給、今年前半は極度に逼迫 |
3〜6月に定修が相次ぐことも大きく作用 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成 |
旭化成、出光石油化学などSM(スチレンモノマー)メーカー各社の調べによると、今年上期はSMの需給がアジア全域で一段と逼迫するのが確実となってきた。需要が引き続き中国を中心としたアジア全体で着実な伸びを遂げているのに対して、SMプラントの新増設が全くなく、それどころか3月から6月にかけて韓国や日本など各国でSM装置の定修が相次ぐ見通しとなってきたためだ。このままいくと、アジア地域におけるSMの誘導品業界は当分の間、かつてない深刻な原料不足に悩まされることになりそう。 アジア地域におけるSMの需給バランスは、中国の需要の予想以上の伸びとSMプラントの相次ぐトラブルによって昨年夏場以降急速にタイト化してきている。ユーザーの中には、原料不足による事業の行き詰まりを打開すべく急遽北米からSMを買い付けるところも現れ、昨年の第4・四半期の北米からのアジアへの持ち込み量はほぼ10万tにおよんだと見られる。それでもなお多くのユーザーが狙い通りの玉を確保できず、減産を余儀なくされた模様。 その北米からの緊急輸入も、今年に入ってからは原料ベンゼンの暴騰が大きな重石となって思うにまかせなくなってきている。加えて、昨年第4・四半期に計画していた定修を懸命に引き延ばしてきていた韓国のSMメーカーがいよいよ3月から運休に踏み切ることもあってアジア各地で大規模な春の定修が実施される見通しにもなってきた。 韓国では、3月から5月までに合計8基のSMプラントがそれぞれ1ヵ月、一部は2ヵ月にわたって定修のため運休する見込みだ。また日本でも、3月から6月までの間に合計3基が運休する。さらにマレーシア、シンガポール、インドネシアの各国でも4月から8月にかけて定修が予定されている。 下期に入ってもなおいくつかのプラントが定修のため運休する見通しにある。また年末まではプラントの増設がない。このため同地域全体の品不足がいつになったら解消されるかは全く予測できないと見る向きが関係筋には多い。 |