2003年01月22日
ダイキン、工業用のふっ素系新洗浄剤を開発、販売
ふっ素と水のエーテル、オゾン層破壊せず
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ダイキン工業、NEDO

 成層圏で太陽からの有害紫外線を吸収するオゾン層を保護するため、モントリオール議定書で2010年までに現在使用されているハイドロフルオロカーボン(HCFC)141bなどの工業用のふっ素系新洗浄剤の生産を全廃することになっているが、ダイキン工業はこれに代わるふっ素系新洗浄剤「HFE−347PC−f(ハイドロフルオロエーテル−S7)」(商品名)を開発し、販売をはじめた。
 
 HFE−S7はふっ素と水で構成されるエーテルの一種でオゾン層破壊係数がゼロ、しかも不燃性ですすぎや仕上げの工程で優れた洗浄特性を発揮する。また表面張力、蒸発潜熱が低いとしている。同社では2005年を目標にHFE−S7への切り換え需要をほりおこし、年間約20億円の事業に育てる方針。光学レンズや液晶分野での製造工程での洗浄ニーズが高いという。
 
 同社のHCFCは現在、年間40億円ていど販売しているが、2005年の時点で約半分がHFEに切り換わる見通し。HFEの価格はHCFCに比べ約30%高。
 この開発で同社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けた地球環境産業技術研究機構(RITE)に研究開発協力企業として参加していた。
 
 なお、工業用洗浄剤のふっ素系洗浄剤はCFC(クロロフルオロカーボン)が1995年に全廃された。今後はHCFCからHFEに切り換えられることになる。