2003年01月23日
呉羽化学、缶詰代替素材「ベセーラ」売上げが倍増 
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:クレハ

 呉羽化学工業が「缶詰に代る食品包材」として販売中のプラスチック・フィルム「ベセーラ」が好調で、売上げも3年連続倍増しようとしている。ベースとなるフィルムに、ポリアクリル酸系樹脂をコーティングすることによって、バリアー性が飛躍的に向上し、内容物の食品を保護する。軽量で強度にすぐれ、中が見えるため安全管理もしやすいなどから、食品、飲料水メーカーの間で評判がいいと同社ではいっている。
 
 これまでは、ポリエステルフィルムを基材に、ポリアクリル酸系樹脂をコーティングした「Rタイプ」だけだったが、近く、ナイロンフィルムをベースとした「ARタイプ」を上市する。これによって高温殺菌が可能となり、新しい用途分野が開拓できる。続いてポリプロピレンなど新規タイプの商品を開発中で、今春中には発売できる見通し。防湿性、耐ピンホール性など、需要家の幅広い要求にこたえられるよう、ラインアップの充実を図る。
 
 同社はこのほど「ベセーラ」の供給能力を3倍増の年産700トンに増強した。売上高は2001年の7億円から、2002年には14億円に倍増。2003年はさらに30億円に増やす計画だ。