2003年01月24日
三菱化学、無水マレイン酸の価格も改定
2月1日出荷分からキロ20円引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は24日、同社の無水マレイン酸の国内販売価格を2月1日出荷分から1キログラム当たり20円引き上げると発表した。上げ幅は平均15%となる。
 
 今回の価格改定は、原料ブタンの価格の高騰に伴う採算割れの是正を目的としたもの。同社によると、ブタンの価格(サウジアラビアのFOB価格)は、01年に平均トン当たり217ドルであったのが02年の第4・四半期には319ドルに跳ね上がり、そして同年末には史上最高値の335ドルまで上昇してこんにちに至っている。
 
 一方、同製品の需給バランスは、過去2年で従来の3割に相当する年産5万5,000t規模の設備が休止したこともあって極めて良好な状態にある。現在の無水マレイン酸業界の総設備能力は4社合計で11万2,000tで、対する出荷量は昨年の年計が10万5,000tとなっており、したがって今後も内外の需要に円滑に対応していくにはフル稼働が必要と見られている。
 しかし安定供給責任をまっとうしていくには、各種原燃料の高騰分を製品価格に転嫁していくことがどうしても必要であり、このため01年5月に続く製品値上げに踏み切ることにしたと同社では説明している。