2003年01月27日
FS加工企業、相次ぎ断熱建材分野に進出図る
合計63社が製品の認定試験に挑戦
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 家電梱包など既存分野の需要の長期低迷に苦慮するフォームスチレン(FS)加工業界の間で、窮地を脱出するため断熱建材分野への進出に本腰を入れて取り組むところが相次ぎ始めた。
 
 これは、わが国でも今後の普及が期待されるようになってきた高断熱・気密住宅向けにFS製断熱材を強力に売り込んでいこうというもの。このため有力加工企業の多くが、昨年秋に国土交通省が実施した製品認定試験に参加、現在はその結果待ちのところ。同省の認定試験は、各社のFS製品が建築基準法第68条の26の第1項で規定されている不燃・断熱性を有しているかどうかをチェックするためのもので、申請・参加企業は合計63社に達した。
 
 高断熱・気密住宅は欧米ではかねてから広く一般に普及しており、これに伴いFS製品の多くが住宅の断熱建材向けに消化されている。わが国では、住宅の高断熱・気密性に対する一般市民の関心があまり高くなく、このためFS製品の断熱建材分野における消費量も年間1万数千tにすぎず、FSの総出荷量の7%前後を占めるにとどまってきた。
 
 しかし最近は、居住の快適性を求める市民が増え、また省エネムードの高まりや消防法の改正など規制緩和の進展もあって、わが国でも住宅の高断熱・気密化ニーズが急速に顕在化しつつある。FS加工メーカーの多くは、こうした環境の変化に対応して同分野に本格進出することで新たな領域を開拓したいと考えているわけで、これがどういった成果に結びついていくかが注目される。