2003年01月27日
東北パイオニア、アクティブ有機EL5月にも生産へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三洋電機、シャープ、デュポン、東北パイオニア、パイオニア

 東北パイオニア(山形県天童市、TEL023-654-1211)は米沢工場にアクティブ駆動用の有機EL(エレクトロルミネッセンス)蒸着ラインおよび封止工程を建設していたが、ほぼ据えつけを終り、5月にも操業を開始することになりそうである。
 
 同社はアクティブ駆動用のCGS(連続粒界シリコン)基板を製造するためシャープ、半導体エネルギー研究所と共同でエルディス(ELDis)を設立、栃木に工場を建設していたが、目下、最終的な設備の調整を急いでいる。
 
 動画対応のアクティブ型の有機ELディスプレイはフルカラーで、エリアカラー(3色)に対し、早期製品化が期待されている。ディスプレイメーカーとしては米・コダック社と提携した三洋電機、米・インテル、デュポンとの合弁会社・ライト(台湾)と同社が三つどもえの競争を展開しているが、ことしは東北パイオニア、続いて残る2社が年末から来年にかけてアクティブ型のディスプレイの製品化を実現するものとみられる。
 
 この間、フルカラーのバッシブ型ディスプレイが登場し、東北パイオニアもすでにバッシブ型生産ラインを二本動かしている。同社は現在、バッシブ型の360×460ミリ級ガラス基板サイズ対応で、1インチ表示サイズの有機ELを月60万個生産できるラインを2系列持ち、操業中。アクティブ型はこれに続く3ライン目。
 
 用途としては携帯電話用(表示画面)が大きく、ついでサブディスプレイ、カーステレオ、自動車用インパネなどに供給されている。同社の有機EL部門の売り上げは2003年3月で70億円強(前年比18%増)を見込んでいる。