2003年01月29日
三菱化学、オキソアルコール価格をキロ11円引き上げ
ナフサの高騰等に対応、2月10日から実施へ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は29日、オキソアルコールの国内価格を2月10日の出荷分からキログラム当たり11円引き上げると発表した。
 
 11円のうちの8割は最近の原油ならびにナフサの高騰分、残り2割は昨年4月に打ち出した同12円の値上げの未達成分と同社では説明している。
 
 今回の値上げの対象は、2エチルヘキサノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、イソノニルアルコール--の各品目。上げ幅は平均10%弱となる。
 
 これらオキソアルコールの需要は、国際的にかねてから順調に拡大しており、特に中国の需要は塩ビの可塑剤向けや塗料の溶剤向けを中心に大幅な伸びを遂げている。一方、供給力はマレーシアやシンガポールなどでオキソプラントが相次いでトラブルのため運休しており、こうしたことからアジア地域全体の需給バランスは極めてタイトな状況に陥っている。
 このため、中国向けのCFR価格は昨年末以降急騰しており、直近のCFR価格は昨年末対比でトン当たり70〜90ドル高となっている。現在のCFR価格は2エチルヘキサノールが同710〜720ドル、ノルマルブタノールが同680〜690ドルという高水準に達している。
 
 国内の需給も、昨年下期に入ってから需要が全体に盛り返してきたことと、輸入品が減少してきたことなどの要因からウエルバランスとなっている。三菱化学は、こうした環境条件から判断して、今回の値上げは需要家各社から十分理解を得られると判断している。