2003年02月03日
三菱レイヨン、MMAとMAAの価格を再修正
2月3日出荷分からともにキロ20円引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは、2月3日出荷分からMMA(メチルメタアクリレート)モノマーとMAA(メタクリル酸)の国内価格をそれぞれ1キログラム当たり20円引き上げることにして各需要家と交渉に入った。
 
 MMAの値上げは、昨年5月と10月に続いて最近では今回が3度目。一方のMAAは昨年10月に続いての値上げ表明。
 今回の値上げの理由については、原料ナフサとメタノールの価格の高騰を挙げている。ナフサについては、今年第1・四半期の価格が1キロリットル当たり2万6,600円に上がると同社では想定している。昨年第4・四半期より2,700円上がると見ているわけ。メタノールの価格に関しては、昨年第4・四半期にトン当たり205ドルであったのが最近は240ドルへと急騰しており、今後もベネズエラの政情から判断してさらに続騰が必至の見通しにあると説明している。
 
 一方、需給バランスは、かねてからのアジア地域全域における導光板の需要の拡大に加えて透明ABS樹脂やMS樹脂などコポリマーに対する需要の広がりもあって世界全体が極度の逼迫状態にある。しかも、大手MMAモノマーメーカーの定修がいくつか続く見通しにもあるので第2・四半期以降は一段と品不足が深刻になるとの見方が市場では有力となっている。このため、同モノマーの国際相場は急騰しており、1月にトン当たり1,300ドル内外であったのが2月納入分は1,400ドル以上となる見通しにある。ただし同社では、旺盛な国内需要に優先的に対応していく方針を取っているので、海外からのスポット輸出要請には応じていける状況にないとしている。
 
 同社では、こうした中で供給責任を全うしていくには原料価格の上昇による採算悪化を防ぐためにどうしても価格改定に踏み切らざるを得ないとしている。