2003年02月04日
中国の昨年の樹脂輸入、特に高機能性樹脂が大幅な増加
汎用樹脂もPVC以外がすべて前年を上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 中国による昨年1年間の合成樹脂の輸入数量は、PVCホモポリマーを除いて全てが前年の実績を上回った。特に大幅な伸びを遂げたのはエンジニアリング樹脂をはじめとした高機能性樹脂で、最も伸び率が低いPC(ポリカーボネート)でも56.2%、PMMA(ポリメタクリレート)にいたっては91.8%もの増加となっている。
 
 同国が昨年輸入した合成樹脂の中で最も数量が多かったのはPP(ポリプロピレン)で、総輸入通関数量は244万2,318tとなっている。前年に対する伸び率は17.1%で、汎用樹脂の中では2番目の伸長率である。これに次ぐのはLDPE(高圧法低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレン)の242万5,330t。ただし伸び率は1.5%と低い。また、同じポリオレフィンのHDPE(高密度ポリエチレン)も同様に200万tの大台に乗った。総輸入通関数量は213万t4,060tで、伸長率は23.8%。汎用樹脂の中では最も伸びが大きい。
 ポリオレフィン以外の汎用樹脂は、PS(ポリスチレン)が145万3,081tで6.2%増、PVC(塩ビ)ホモポリマーが170万556tで11.3%減、ABS樹脂が163万7,640tで14.8%増--となっている。
 
 高機能性樹脂は、絶対量が依然として汎用樹脂を大きく下回っている。しかし注目されるのは、伸び率がいずれも汎用樹脂を大きくしのいでいる点だ。
 最も数量の多いPC(ポリカーボネート)は41万5,399tで、前年を56.2%上回った。POM(ポリアセタール)は13万5,567tで77.1%増、PBT(ポリブチレンテレフタレート)は12万5,266tで85.7%増、PMMAは11万1,207tで91.8%増--となっている。このように高機能性樹脂が大きく伸びているのは、電機・電子機器産業が高水準の成長を遂げているためと見られている。