2001年12月27日
大日本印刷、有機ELの商品化急ぐ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:大日本印刷、東北パイオニア、パイオニア、NEDO

 大日本印刷はプラスチックフィルムをベースとする「フレキシブル有機EL(エレクトロニック ルミネッセンス)」をディスプレイ用として企業化する技術開発を急いでいるが、まず2003年にも携帯電話用ディスプレイを商品化する意向である。

 同社のフレキシブル有機ELは従来のガラスベースのディスプレイをフィルムベースに切り換えようとするもので、昨年、NEDOの研究補助金を受けている。有機ELは自発光するためLCD(液晶)のようにバックライトがいらず、電力が大幅に節減できるほか、フレキシブルなため印刷物としても活用できるという特徴がある。ただ、いまのところ劣化による寿命の問題があるほか、フルカラーでの動画にする場合の仕組みを作る必要もある。

 ディスプレイ用としては東北パイオニアがカーナビ用を開発しているが、大日本印刷では「印刷技術で商品化し、量産化する計画だが、目下、基礎技術の確立を急いでいる」そうで、大型設備で真空、蒸着するガラスベースのディスプレイに対し、「設備費が安いうえ、電力が少なくてすみ、見やすいメリットを生かして行きたい」としている。
 なお、発光素子となるプラスチックフィルムについては、素材各社の提案を受け入れて行きたい考えである。