2003年02月07日
西欧ではアジア地域以上にナフサが高騰
C&Fジャパンとの逆転現象が長期化の様相
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンター筋の調べによると、西欧各地ではナフサのスポット相場がアジア地域以上に高騰、年初いらい、わが国や韓国などの調達価格を上回る“逆転現象”が続いている。
 
 最近の北西欧の平均取り引き価格はトン当たりCIF320ドル前後となっており、わが国の石化企業や商社などの最近の契約価格(C&Fジャパン)を5ドルから8ドルの範囲内で上回るかたちで推移している。通常は、北西欧のCIF価格がC&Fジャパンを5〜6ドル下回っているが、今年に入って逆転し、そしてその格差が日を追って開いている状況にある。
 
 この要因は、ベネズエラのゼネストの影響で石油製品全体の深刻な品不足に陥った米国向けに西欧各地からガソリンやナフサなど石油製品が大量に振り向けられるようになってきた結果、西欧全体のナフサの需給が急速に引き締まってきたことにあると見られている。
 ベネズエラの石油輸出量は徐々に増えつつある。しかし、米国ではいまが灯油の最需要期であり、まもなくガソリンの増産期に入ることもあって石油製品の品不足が解消されるまでにはかなりの時間がかかると見られている。したがって、西欧のナフサ相場がアジア地域を上回る状態が長期化する公算はかなり高く、それに伴い西欧の石油化学企業も製品価格の修正に本腰を入れて取り組むことになるというのが関係筋に共通した見方となっている。