2003年02月12日
米国のプロピレン価格、さらに2セント高の公算
アジア地域への流入は2月末で終了の見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井物産

 三井物産など大手商社の情報によると、米国国内のプロピレン価格は1月に続いて2月もポンド当たり2セント引き上げられる公算が濃厚となってきた。
 
 1月の価格については、サプライヤーの要求をユーザー各社がそのまま受け入れたためコントラクトものもスポットものも2セント引き上げられた。その結果、1月下旬のポリマー向けは同23.5セントになったが、先週に入ってリファイナリーやペトケミ企業はさらに2月の引き渡し分も2セント引き上げる意向を相次いで表明し始めているという。
 
 米国内のプロピレンの需給バランスは今年に入って急速にタイト化している。これは、誘導品の需要が引き続き好調なのに対して、プロピレンの大口供給国の1つであるベネズエラからのFCCプロピレンの輸入が極端に減少してきたこともあって総供給量が大幅に縮小してきたためだ。
 こうしたことから、商社筋の多くは2月も米国のプロピレン価格が2セント引き上げられるのは確実と見ている。その場合、トン当たりの米国内価格は560ドルとなり、アジア地域のプロピレンの需給にも大きな影響がおよんでくるのが必至といえる。

 現在アジアのプロピレンユーザーの中には、アジア地域内で充足しきれないプロピレンを米国から調達しているところがいくつか存在する。1月と2月の2ヵ月トータルの流入量は約5万tに達すると見られている。しかし、これは昨年11月から12月に契約されたもので、今年に入ってからの契約は、米国内の需給のタイト化によってゼロになったとされている。2月もアジア勢の契約は引き続きゼロとなる見通しだ。米国のサプライヤーがアジアに玉を振り向ける場合は、最低でもトン当たりCFR710ドルへの値上げの受け入れを条件として突きつけてくる公算が濃厚なためだ。およそ100ドルの値上げとなるわけで、これを受け入れるところはまずないと見られている。このため3月以降はアジア地域のプロピレンの需給は一段と逼迫する可能性が高くなっている。