2003年02月14日
酢酸エチルの国内価格交渉が相次ぎ決着
大手ユーザーは17日出荷分から新価格への切り替えを容認
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工など酢酸エチルメーカーが国内の需要家各社との間で進めていた酢酸エチルの価格交渉が相次いで決着し始めた。

大手需要家は17日出荷分から1キログラム当たり13円の値上をい受け入れることにしている。中規模ならびに小規模のユーザーも早ければ来週中、遅くとも今月末までに同様の値上げの受け入れを表明するものとみられる。

 今回の昭和電工などの酢酸エチルの値上げは、最近における出発原料のナフサの急騰に対処してのもの。ただし、昭和電工によるとここにきてのこれらの原料価格は一段と上昇しているので、今回の13円の上げ幅ではそれをカバーできないとしている。
 
 酢酸エチルの需要は、レトルト食品包装材向けを中心とした特殊グラビア印刷インキやウレタン分野を中心にきわめて好調に推移してきている。これに対する供給能力は、ここしばらく増強されないままきているので需給バランスはきわめてタイトな状況にある。
 
 ユーザー各社とも今回の値上げ要求に対しては、こうした情勢からいって押し戻すわけにいかないと判断し決着となったもの。なお、昭和電工などでは輸出価格も早急にトン当たり100ドルの引き上げを実現したいとしている。